「な、スカーッとするだろ?」というポスターがずっと気になっていた。

外は雨。会期終了も迫っていたので思い切って行くことにした。場所は上野科学博物館。女房が早めに起きて朝飯の支度をしてくれたので10時には上野に到着した。霧雨が降る中、入場券を買った。

ナスカといえば地上絵だ。それ以外になにがあるのだろうと思っていた。認識不足だった。会場に入ってすぐにそれがわかった。すばらしいデザインの土器が数々展示されていた。紀元0年から350年くらいの間に造られたものらしい。会場は大混雑。人の背中を見てるようだ。それくらいガラスケースの中に入っている土器を皆さん熱心に見つめて離れない。その魅力は色なのかもしれないし、形なのかもしれない。いや、最も驚いたのはそこに描かれている絵の素晴らしさだった。人間、鳥、動物。それらモチーフがデフォルメされて描いてある。それがまるで現代の著名作家が絵付けしたんじゃなかろうか、と思えるほどスッと馴染めるタッチだった。日本の縄文土器もすごいが、ナスカの土器もすごかった。キース・へリング。見てみればわかる。

日本は同時期縄文から弥生時代。大規模集落が形成され、狩猟と稲作が始まっていた(はず)。ナスカでも厳しい乾燥地帯という違いはあるが、日本でいう縄文時代のような時期だったらしい。展示されていたミイラを分析したところ当時食べていたものが日本の縄文期の食性とよく似ていることがわかったそうだ。

ナスカといえば地上絵。どうやって見せるのかな、と思っていたら、巨大スクリーンにCGで制作したバーチャル映像を映し出し、あたかもナスカの上空を飛んでいるように見せていた。実際の映像ならもっと良かったな、と思うワタシは古いのかもしらん(^^;。
地上絵がどうやって出来たか、は、宇宙人説まであるが、今日の展示を見てハッキリわかった。あれはちゃんとナスカ人が書いたものだ。あの土器に描かれた絵。死者を埋葬するときにかぶせられたマントに施された細密画。地上にああやって線画を描くくらい造作ないことだったはずだ。
でも、あの描かれた場所は本当にだだっ広いだけの荒地だった。まるで人が住めるとは思えない。そんな場所になぜあれだけ大規模な絵を描こうと思ったのか。そういう部分は未だ謎として横たわっていると思う。ごつごつとした石や岩をよけた線があの絵の正体であって、運動会で使う白石灰が引いてあるということは無かった。
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バーチャル映像を見たところでナスカ展はオシマイ。

出てすぐに売店があった。図録をはじめとしてナスカグッズが一杯。女房も子供たちもすぐに捕まってしまう(^^;。娘は地上絵のハチドリが描かれた土笛に惹かれたらしい。それと、ドラえもんの世界ふしぎ探検の漫画をねだった。息子は地上絵のサルが描かれたクリアファイル。結局全部買ってやることになる(^^;。

外に出るとなんと入場待ちの行列が発生(!)。「ここから30分待ちでーす」と係員が声を張り上げている。・・・良かった。早く来て。それでも混雑していると思っていただけに、これで入場待ちがかかっていたら入るのをあきらめてしまっただろう。

コンビニで買ってきたおにぎりを無料休憩所で食べる。子供会で来たらしい小学生の集団が行儀良く3列にならんで座ってお弁当を食べていた。騒ぐ子は一人も居なかった。

せっかくだから常設展示を見たい。本館は当分の間改装工事中で閉鎖。新館の展示を見ることにした。ここも何度も来たなぁ、と思いながら2階フロアに入って驚いた。奥がある・・・。ワタシと息子でずっと展示を見て回った。日本の近代から現代への技術が展示されていた。おお、こりゃすごい。JRみどりの窓口で使われた予約システム。真空管で出来たコンピュータ。高柳式TVカメラに受像機まである。奥には零戦が置いてあり、ロケットとエンジンの実物もあった。H2ロケットで打ち上げられスペースシャトルによって回収されたデカい宇宙実験室まで置いてある。ううむ、すごいわ。これ。地味ながら少し薄暗くなった部屋では江戸時代の算術、医術、天文、生物学の資料が展示されており、大市などでお馴染みの和本があった。ええとあれがいくらこれがいくら・・・(^^;。

3階には部屋一杯の大きさあるガラスケースに動物や鳥の剥製が数々。こんなに一杯持っていたんだねぇ。1階奥には単細胞生物から海の魚まで。ダイオウイカのホルマリン漬けは不気味で迫力アリ。博物館と動物園。上野には知と文化が集まっている。

結構疲れた。娘はずっと2階でゴムのアンモナイトを作っていたらしい。女房はそのお守り。お疲れ様。外に出た。ナスカ展は入場まで50分待ちとなっていた。
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さて、これから何処へ行こうか。

そのまま帰ってしまうには早過ぎる時間だった。歩き始めたら「つかれたー」と娘。無理も無い。西洋美術館のベンチで休むことにした。女房が買ってきたポッキーを食べる。目の前にはロダン作「地獄の門」。有名な「考える人」がドアの上に座って悩んでいた。沢山の人が地獄をバックにニッコリと写メで記念写真。ドアには地獄絵図(^^;。ま。いいんだけどね。
「どーしてこういう難しい作品って明るいものが少ないんだろう」と女房。こういう作品を作れる人ってなんていうか先を見通せる能力を持っていたんじゃないかなぁ。「人とは違って?」そう。人間は何処から来て何処へ行くのか。そんなことばっかり考えていたら明るい作品なんて絶対出来ないからね。究極の”将来”は死ぬことだから。

アメ横を歩く。このあたりは雰囲気が変わらない。今日も大トロが1000円、毛ガニも1000円で叩き売られる。あんまり買っている人を見ないんだよね。年末以外いつ売れているんだろう。
アメ横の混雑に当てられたか、再び娘が疲れ始めた。雲が切れて太陽が刺す。とたんに暑くなってきた。コンビニで水を買うことにした。ちょうど座って食べられるスペースがあり、おやつに何か買って食べることにする。

ちょうど湯島天満宮の例大祭で、神輿がそばの神酒所に座っていた。担ぎ手の方々が白い装束に身を包んでそこかしこに待機している。お祭り好きの娘としてはこの様子を見逃すわけには行かないらしい。いよいよお囃子が鳴り始め、神輿が上がるとそばまで行って見たいと言い出す。見に行くと大神輿で担ぎ手の人数が物凄く多く、そばを歩くだけの人がかなり居る。きっと時期を見て交代するんだろうけど、皆さん白い装束だけにまるで神輿が雲に乗って動いていくように感じた。

ガード下を歩いているうちに秋葉到着。新幹線のガードをくぐってYカメラ。息子が充電池を買いたいという。ワタシは例によって何も買うものなし。息子の買物に付き合ったのみ。女房と娘は楽器コーナーでキーボードを弾いていた。ウチにもあるじゃん(^^;!

地下鉄に乗って渋谷駅。東急の9階でうどんの夕食。日本酒を1合飲んだらいい気分に酔っ払う。Bカメラで今日撮影したブローニーをDPに出す。店に戻ってしばらく仕事。TVは一切見なかった。

日付が変わる前に日記を書き終わった。3000字。
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