等々力にある市民ミュージアムで開催中の「みんなのドラえもん展」は今日が最終日。

気がついてよかった。見たがっていた娘を連れて3人で訪れた。

思いかえせばワタシとドラえもんの付き合いは古くて、たしか幼稚園生のころにアニメを見た覚えがあった。まだ10チャンネルじゃなかった。連載が始まった小学館の雑誌は読んでいなかったが、ある日オヤジが仕入れてきた本の中にドラえもんのコミックが1巻から12巻まで混じっていた。それをもらったのが本格的な出会いか。当時はもちろんドラえもんの秘密道具に目が行って、ストーリーに対する興味は二の次だった。コロコロコミックが出始めて「のび太の恐竜」が長編マンガになって掲載された時、ドラえもんが映画化されるというので川崎まで見に行った。ワタシが小学6年生のときだったから、まだチネチッタなどなかった。川崎駅も昔の暗くて汚い駅舎だった。
中学生になって、次第に少年ジャンプに興味が移っていき、ドラえもんからは”卒業”した。

実物大のどこでもドアがお出迎え。会場内はたくさんの人でにぎわっていた。内容は原画の展示を中心に、数々制作されたドラえもんグッズ。そして現代作家がドラえもんをテーマに制作した作品が展示されていた。そのそうそうたる面々は、桑名大伸、佐藤可士和、佐内正史、中村哲也、蜷川実花、服部一成、日比野克彦、HIROMIX。ワタシと同世代の人が多い。
子どもたちはアニメが繰り返し上映されている空間に多く、原画を見つめる子は少なかった。そりゃそうか。

ワタシにとっては大長編ドラえもんではなく、日常のエピソードを描くてんとう虫コミックス版のドラえもんに思い入れが深い。特に初期に顕著なダメロボットとしてのドラえもんキャラは秀逸だと思う。
展示されていた「さようならドラえもん」と「帰ってきたドラえもん」の原画。過去に何度も読んで”卒業”したはずだったのに、見ていたら気持ちがこみ上げてきた。やっぱりドラえもんは小学生の読むマンガじゃなかったのでは。少年マンガという形式で単純な線と簡潔なセリフにまとめてあるが、ジャイアン、スネオ、しずかちゃん、のび太という4人の関係性は現代の大人社会にも当てはめられるものだ。
ドラえもんが居なくなる。「ぼくは強くならなくちゃいけない」そう決心するのび太はボロボロにされながらもジャイアンにケンカで勝つ。ドラえもんはそんなのび太に静かに感動しながら未来へと帰って行った。
12037歩 7.81km 120分 620.2kcal 16.3g
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