朝から晴れ。今日は女房と娘と3人で上野のかはくに「インカ・マヤ・アステカ展」を見に行くことになった。少し早起きして電車に乗る。10時には上野に到着した。入場券売り場はそれほど混んでいなかったが、中に入るとやっぱりたくさんの人がいた。皆さん勉強熱心だなぁ。
この間TVで見ていたので予習はできている。
マヤ文明は中米のユカタン半島の密林に2000年栄え続けた文明。統一国家はなかったが小国同士が連絡・交易しあって繁栄・衰退を繰り返した。
アステカ文明は14世紀から16世紀にかけて、現在のメキシコ中央部に栄えた。メキシコシティーの中心部からアステカの遺跡が発掘されたりしている。首都にはなんと20万人以上の人が住んでいたらしい。マヤもアステカも文字を持ち、暦を発達させてトウモロコシ栽培に応用した。また、正常な天体運行のために太陽を祀る神殿ではたびたび生贄が奉げられた。
インカ帝国は15世紀に現在のペルーを中心に栄え、アンデスに南北4000キロの巨大な帝国を築いた。高度な技術により石造りの都市を建設し、各地を「インカ道」と云われる道で繋いで各地の情報を伝えた。また、インカには古くから死んだ人をミイラにする風習があり、人々は現在もミイラと共に生活する。王のミイラは死後も従者を従えて王宮に住んだ。
インカ・マヤ・アステカとも、大航海時代にスペインに侵略され、滅ぼされた。インカの首都だったクスコは、現在もインカの作った石の基礎の上にスパニッシュ風の建物を継いで使っている(世界遺産)。
マヤ文明は日本の弥生時代から室町時代まで続き、アステカ・インカは室町時代と同じ時期だ。そう考えてみると、日本もまた独自の文明をこの時期すでに完成させていたんじゃないかと思う。

とはいえ、密林に石造りのピラミッドを建てるマヤにしても、天空の城「マチュピチュ」を作ったインカにしても、日本にはない発想を持っていたことは確か。彼らの思想が現代に伝わらなかったのは残念だ。

かつて本館と呼ばれた常設展示が新しく「日本館」となってリニューアル。午後はずっとそちらを見学した。いままで正面入口だったところは入口ではなくなり、展示してあった恐竜の化石も撤去されていた。「地球館」(元新館)のB1にでも移動したんだろう。
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日本館の展示で初めて知ったこと。それは、江戸時代の時間の概念だった。よく時代劇を見ていると、ゴーンと鐘が鳴って「暮六ツか」とか言っている場面がある。実は当時の時間は日の出から日の入りまでの時間を6等分し、そのひとつを「一時(もしくは一刻)」と決めていた。夏至と冬至では昼間の長さは違う。そんなことお構いなしに日が出ている時間を6等分するので、夏と冬とでは一時の長さは最大50分間も違ったらしい。「明六ツ」「五ツ」「四ツ」「九ツ(正午)」「八ツ」「七ツ」「暮六ツ」の順番。時間の長さが変わるので、これを不定時法と呼ぶらしい。
現代はもちろんこれとは違う定時法で動いている。夏と冬で一時間の長さが変わることはない。でも、この日の出から日の入りまでを人間の活動時間と考えるならば、この不定時法は実に理にかなった考え方だったのかもしれない。第一、暗くなったら寝ると決めれば無駄なエネルギーを使わなくて済む。江戸の循環型社会は見直されてもいい。

で、この不定時法に基づいて作られたのが「和時計」で、季節によって変化する一時の長さを補正する仕掛けがちゃんと施されていた。速度調整用の天秤(天符)が二つ付いており、そのおもりの位置を変えることで刻む時間を調節できる。ううむ、こりゃすごいぜ。
和時計は当然日本独自のもので、印籠時計、枕時計、卓上時計、台時計、櫓時計、掛時計、尺時計、とさまざまな形に発展し、最終的にはからくり儀右衛門と呼ばれた田中久重という人が1850年に制作した「万年時計」という、洋式時刻、和式時刻、二十四節季の月日、曜日、暦、月の満ち欠けとその日付が分かる、という六角形をした和時計に結晶する。
残念ながら、明治5年に不定時法が廃止され、定時法に切り替わってから、和時計は徐々に廃れていった。

外を見ると雷雨になっていた(!)。そろそろ帰ろうか、と思っていたのに帰れなくなった。しばしラウンジで休憩を取り、それから地球館へ移動する。娘は2階の遊べるコーナーへ行くというので、ワタシは1階から見始める。急に眠くなり、少し薄暗いベンチに腰かけて居眠りする。居眠り明けもどうも気分ははっきりせず。16時頃、かはくを出るころにはなんだかよたよた歩きになっていた(^^;。疲れかな・・・。

新丸子に戻る。空は晴れていた。投票を済ませてから店。バッタリと倒れるように寝る。2時間ほどしてドリフを見ながら夕食。外ではピカピカと雷雨が続いている。食後は日記書き。疲れているみたいだから今日も早く寝ます。
7250歩 4.71km 74分 356.6kcal 9.5g
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