昨夜は筒井康隆著「パプリカ」が面白くて読み続けた。

映画は90分に凝縮されていた事もあり、かなり設定まで変えていることが分かった。映画的な視覚効果を狙ったためか、意識的に色彩を華やかに表現していたみたいだ(そりゃそーか)。原作は読んでいてどことなく乾いている印象を持つ。ただでさえ話のテーマが”夢の暴走”であるだけに、著者がわざと冷静な描写を積み上げているのかもしれないが。
まだ半分も読んでいないので、映画では準主役だった粉川という人物が出てこない。が、その前に映画版では登場しない自動車会社の重役が”映画”を思い出に持ちつつパプリカの夢探偵によって治療されたりしている。粉川には別のエピソードが当てられるのかしらん。
身体の突然の不調。トラウマによって生じる症状だ。その”過去(トラウマという意味で)”が何だったのか、を意識は無意識下に抑圧して無理に忘れようとしている。だが、抑圧されている自らの”過去”は、意識が休んでいるREM睡眠の間だけ夢の中に現れる。夢の断片を拾い上げて、患者自身にもわからなくなっているトラウマを探し当てる。それがパプリカの治療方法。隠されていたトラウマが白日の下にさらされた時、患者は全快するという。へぇー。

朝飯を食べながら「坂の上の雲」を見た。ところどころにナレーションで司馬遼太郎原作そのままの引用が出る。おそらく、今後もこんな風な引用の形で原作のフレーズがそのまま登場するはず。作者が少し突っ込んで歴史解釈している個所が特に含まれている。そういう部分は作者の書いたとおりにナレーションする、ということだろう。・・・あえてどことは書きませんけど。
明治初年の日本の様子。ほとんど時代劇世界と変わってないように見える。が、決定的に違うのは、登場人物の東京へのあこがれだ。特に目的があって、というよりも、東京に行かなければ何も始まらない、というようなニュアンス。そんな強い引力が東京にはあったのか。舞台は四国松山。より近い大阪では足りなかったのか。そういう描写はない。
東京に出てきた兄・好古の下宿に入る弟・真之。よっぽど父親よりも厳しい父性を出す兄。阿部寛さんだから謙信公と印象が重なるなぁ・・・。正岡子規役の香川照之さんもドはまりな雰囲気を出している。あとは主役の本木さんだねぇ。はまってくれるといいんだが。

月曜日、忙しい。いつもお買い上げありがとうございます。
1265歩 0.75km 13分 59.4kcal 1.3g
291130.jpg