先日、新聞屋さんの懸賞で美術館のチケットがあたった。

暑くて散歩はムリ、ということになり、今日行ってみるか、って話になった。ちょうど娘の宿題に「美術館へ見学に行く」って課題があるそーで。ちょーどいい。

ブリジストン美術館で開催中の「ドビュッシー 、音楽と美術 ー印象派と象徴派のあいだで」展。ドビュッシーの生誕150年に当たる今年は、フランスではドビュッシー関連の催しで盛り上がっているらしい。

地下鉄京橋駅で下車して中央通り。八重洲通りと交差する交差点の角にドーンとでかいビル。ブリジストン本社の中に美術館がある。すげえな。
ドビュッシーと同時代にパリで活躍していた芸術家の作品が並べられていた。ドビュッシーの東洋趣味はかなり深いものだったようで、ジャポニスムについてひとつコーナーが設けられていた。出版された『海』の楽譜の表紙には葛飾北斎の『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』が使われていて、仕事部屋には浮世絵が何枚も飾られていたみたいだ。
ドビュッシーの肖像は、絵、写真はもとより、ブロンズ像や石膏像でも造られていて、わりといろんな表情を見せている。絵画のほかに文学、舞台の音楽なども依頼されて手がけている。有名な「牧神の午後への前奏曲」を聴いてニジンスキーがバレエの振り付けを与えて舞台化した話は先日TVで見て知っていた。
展示されているものの中にエミール・ガレのガラス器もあり、写真版では展覧会図録などで何度も見ていたが、実物の異様な存在感は異彩を放っていた。
パリの万国博覧会は1900年に開催されている。当時のパリはいわゆる近代化(モダン)によって新たな価値観が立ち上がっていた。パリを舞台に芸術家たちの分野を超えた交流によってさらに新しい芸術が生まれていたらしい。
すでに写真機と写真という技術が普及し始めていたから、絵にもその影響が現れていた。写真のように写実を極めるか、写実は写真にかなわないから抽象化に進むか、その岐路だったみたいだ。ドビュッシーも近代化の中で出会った”東洋”を音楽に取り入れた。

宿題、ということをどこまで意識していたかどうか。娘は絵を見ながら「これすごいすごい」を結構連発。一番気に入ってたのは舞台のイメージボード3枚。”色鉛筆”で細密な絵が描かれていた。「えー、これって色鉛筆で描かれているんだ(!)」という驚きだったみたい。

鑑賞を終えて外にでると、すでに日は陰っていた。ちょうどいい。中央通りを銀座まで散歩した。途中目をひいたのは氷点下ビールを出すお店に大行列ができていたことと、アップルストアの店内が大混雑していたこと。風月堂でかき氷を食べて、伊東屋でボールペンの替え芯を買った。
木村屋の店頭でお徳用詰め合わせを買って帰宅。
4837歩 2.90km 49分 227.9kcal 5.6g
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