甘露日記

古本屋甘露日記 http://www.kanroshobo.com

2005年05月

1日店

朝からいい天気。今日は息子の布団を干す。 いつの間にか朝恒例だったカラスの大騒ぎもなくなっていた。4月の始め頃は日の出の頃からカーカー鳴き出して大いに困っていたが、最近はグーグーと8時近くまで寝かせてくれる。都はカラスを半減させるために捕獲を進めているという。そういえば昨日録画したトリビアでは「バードウォッチング愛好者が嫌いな鳥はカラス」と至極普通な答えを発表していたなぁ。そんなん当たり前じゃんか(^^;。 昨日に引き続き朝から荷造り作業。今日もたっぷり発送します。午前中一杯作り終え、午後からはオークション出品作業。少しでも店に積み上がった本を減らす為。本を売り続けるには仕入れ続けるしかない。また、仕入れ続けるには本を売り続ける必要がある。あったりまえの話だけど、本屋はそのどちらかが滞るととたんに活動がストップしてしまう弱い体質がある。にわとりとたまごはどちらが先でも構わないが、一旦走り始めた以上は売り・買い・売り・買いと自転車を漕ぎ続ける宿命だ(^^;。決して加速させる必要は無いけど、なるべく長く続けられるペースをキープできるなら身体の負担も少なくて済む。こういうところは身体を鍛える為の運動とあまり変わらない気もするが、残念ながら本屋仕事では身体は鍛えられない(^^;。 オヤジは今日も朝から仕入れに出かけたらしい。ここんとこ毎日のようにクルマで出ている。出て行くたびに店の本は追加される。忙しい。甘露書房の許容能力をオーバーした仕事量になってきているように思える。 店を閉める際の時間にオヤジと母親相手に直近の甘露書房について少し話し合う。ワタシの思っている構想を話すものの、オヤジにとっては心理的抵抗が強い模様。「オレが居なくなったらにしてくれよ」と(^^;。「とっくに定年の歳なんだよ」とも言う。オヤジには徐々に歳をとってきたという自覚があるらしい。でも一生働けるのが自営業の一番いいところだと思う。本屋は本を触っているうちは尊敬してもらえるんだから、がんばって続けて欲しいなぁ。 夕食はスパゲッティ。赤ワインがウマイ。夕食後に甘露PHOTO日記を書いた。最近ちゃんと写真を撮っていないので4月に撮った写真を載せた(^^;。20050519231654.jpg

想い出

朝起きて風。予報では今日1日結構強く吹くらしい。 昨日録画したTVを見ながら女房と朝飯を食べる。「今日は兜を片付けようかなぁ」と女房。もう5月も後半だしねぇ。 お昼まで荷造り仕事を延々と。12時半ごろに飯を食べようと上がってみると、見事にいろいろなものがどばーっと床一面に広げてあった。「兜を仕舞おうと思ったんだけど、天袋に入らないかと思って広げていたところなの」と女房。普段使わないものを仕舞うには天袋が一番だが、雛人形が入っていろいろと捨てにくいもろもろのものが入っているはずだった。今回広がっていたのは女房のものが中心だったが、ひょいと開けてみるとなんと結婚式のときに頂いたご祝儀の袋がまとまっていた箱も出てきた(^^;。 「なんだかこういうものって捨てられないよね」確かに。「でもこういうのっていつまで取っておけばいいのかな」もう夫婦のお守りみたいになっていたりしてね(^^;。捨てるってのも頂いた方にちょっと悪いみたいな感じがするけどねぇ。「うーん、まあそうだね。でも別れていないってことでいいんじゃないの?とか思うけど。」ん、そりゃ一理ある。 「これ、どうしようかなー」と取り出してきた一箱からは女房のもらった賞状や手紙、卒業アルバムなどが出てきた。「もうアタシとしては捨てちゃってもいいんだけどね。」と女房。ちょ、ちょっと待ってよ(^^;。 手紙は見るのを遠慮したけど、賞状と卒業アルバムは見せてもらった。ずっと習字をやっていた結果、大会でもらった賞状や、ソロバンの6級認定書もあった。「本当は3級を取ったんだよ」と言ってたけど、なんで6級のを取ってあったんだろ(^^;? 卒業アルバムにはまだワタシと出会うずっと前の女房の姿があった。高校、中学、小学校と遡るように見ていくと、「もう何組だったか覚えてないなぁ」と言いながらも「あ。そうだ思い出した。」とやはり懐かしそう。 基本的には・・・変わってないねぇ(^^)。 こういう想い出の品物ってあとで絶対見たくなるものだから捨てないほうがいいよ。ということで、過去にTVを撮りためたビデオの箱が一箱まるまるあったので、それを今回処分することにした。TVを録画しておいたビデオはもう見ないものねぇ。これでなんとか兜は天袋に収まったらしい。よかったね。 女房が高校を卒業するころ、ワタシはまだ中学生だった。こうして結婚して何年も過ごすと年齢差はあまり気にならないことになっていくのだけど、学年で換算すると結構な差を感じたりする。ま。だからどうってことはないのだが。 過ごしてきた時間をもう一度取り戻すことは誰にも出来ない。それだからこそ、こういう思い出の品物は大切にした方がいいと思う。もちろん、四六時中昔を思い出しているわけじゃないから、たまに、でいい。たまに思い出したくなったとき、そこに過ごした時間の痕跡が残っていればきっと気持ちが落ち着くはず。一時の都合で思い出をわざわざ捨てることはない。 ずっと前を見続けて生きていける人ほど、思い出を大事にしているんじゃないかしら、と思うから。 夕食時、野球中継がお休みだったおかげで久しぶりに「吹奏楽の旅」を見ることができた。これもワタシにとって想い出の投影だったりする。 ゆうこりんフルート萌えー(^^;。20050518233631.jpg

1日店

朝から荷造り作業。昨日の続き。 朝飯を食べながら昨日録画のキムタクのドラマを見る。視聴率好調のようで。 毎回子どもたちの中からフィーチャーされて1話出来上がる。本当なんだけど言いたくないことが人間にはある、という話だった。わかる。わかるけど、それは自分が追求される立場に立ったときに思うことであり、自分が追求する立場に立てるとしたらまた話は変わってくるかもしれないのかな、とか思ったり。 なかなか人の立場に立ってものを考えることは難しい。結局は同じような思いをした人にしか追求されている人の気持ちはわからない。最近は事件も多く、よくTVなどで思いっきり追求している人の様子が出るとその姿に対して批判が出るのは、きっと追求されたことのある人が多いことの反映だろう。・・・何の根拠も無い話だけど。 朝飯を食べ終わってからメールマガジンの編集・発行。気が付けば224号だって。よくまあ続けているものだ。こんなに続けられるのは編集を全く無理してやってないから(^^;。新着品は全部女房が入力してくれた分だけだし、オークションは今現在の出品状況をそのまま拾い出して載せているだけ(^^;。日記はまあ愉しみで書いているものだからなぁ。公開日記なので本当に書き残しておきたいことは一切書けないが、むしろそれくらいの条件があった方が抑制の効いた内容になっていいのかもしれない。これで何でも書いてよいとなったら・・・(^^;。まあ書かないで置きましょうか。沈黙は金ナリ。 再び荷造りの続き。なんとか今日中に愛書会展の分は仕上げてしまいたい。ただでさえ土曜日に買ってきたカーゴ2台分の写真関係書が全く手付かずなのだ。早く仕事したいなぁ。この本たちが全部ワタシの見立てた本として再び世の中に向かって出て行く。うーむ。いいなぁ。これって男のロマンではないですか(^^)。 夕方までかかってなんとか今日の分の荷造り終了。おつかれー。 夕食時にスマスマを見る。水野美紀サンって変わったねぇ(^^;。雪乃さんとして初めて見たのはもう8年前。まあ変わらなきゃ化け物だけど、人ってやっぱり”しっかり”しちゃうんだよね。 オークション落札品のメール書きをしながらラジオをつけると、カエラ姫の声ではございませぬか。元気な声に気持ちも上がってきた。 ヽ(´ー`)ノ20050517234838.jpg

横浜へ

空は快晴。気持ちはあまり上がらず。 なあんで昨日がこの天気じゃないんだ、という気持ちと、今日も1日横浜で仕事か、という気持ち(^^;。 ん、上げていかなきゃいかんなぁ。無理やりにでも。 いよいよ今日で総会の資料が仕上がった。理事全員出席で、綴じ作業、袋詰め作業、発送作業をしていただいた。お疲れ様でした。 そのあとももう一仕事あったが、ここには書けないことだ。辛い。こんなことを言わなきゃならないシチュエーションが辛い。これだけ仕事をしてもまだ足りないと云うのだろうか。ワタシはもともとそういうキャラではないのです。横浜に来ると職責からそういうキャラを求められてしまう。本当に辛い。 店に戻ったのは18時半。母親が淹れてくれたお茶を飲んでから仕事。今日は月曜日なのでいつもの倍くらい発送荷物があった。まして愛書会展でお買い上げいただいた品物の発送荷物が5つくらい大山になっていた(^^;。とても今日中に仕上げられないだろう、と思いつつ仕事を始める。あっという間に日付が変わった。作っても作っても仕事に終わりは見えなかった。 疲労困憊。寝る。20050517001742.jpg

木村伊兵衛賞の30年

川崎市民ミュージアムでは「木村伊兵衛賞の30年」展が開催中だった。 実はその展示を見たくて多摩川散歩に同意したのだった。木村伊兵衛賞といえばHIROMIX、瀬戸正人、ホンマタカシ、小林のりお、大西みつぐ、今道子、武田花、三好和義、北嶋敬三、倉田精二、藤原新也、北井一夫氏など超有名写真家が受賞した賞としても有名だ。その30年の軌跡が一度に見ることが出来るというので期待していたのだった。 当然子どもたちは見るとは言わなかった。近くの遊具で遊んでいるといって散開した。ワタシ一人で入場した。 結構見ている人は多く、特にカメラを首から下げた若い人が沢山居た。カメラマン志望だろうか。ワタシはとっくにそういうトンがった気持ちは磨り減っていたので、そういう会場に意味もなくカメラを露出したまま持ち込むことはしない。そもそもカメラはこれ見よがしに見せるものではない。必要なときにサッと取り出してパッと撮影し、あとは何事も無かったようにシャッと仕舞うのが本当のカメラの使い方だ。一眼レフを常時首から下げていては本当の写真は撮れない(キッパリ)。 そうは思ったものの、展示を見始めるとちょっと想いは微妙に変化した。「木村伊兵衛賞」というから伊兵衛さんの撮影スタイルを範にとった写真家の作品が並んでいるかと思いきや、まるっきり作風がバラバラなのだ。対比の意味でもないだろうが、木村伊兵衛氏の作品も展示されており、見れば見るほど木村伊兵衛作品とは全然違う作風の写真ばかりのように思えた。 ライカを自分の視神経の延長のように使いこなした真のプロフェッショナルが伊兵衛氏だとしても、現代ではカメラを自由に使いこなすために技術など全く必要が無くなっていた。 木村伊兵衛賞とは「写真の芥川賞」と説明にある。そういう定義なら有なのかもしれない。伊兵衛さんのスナップ無勝手流の極意とは全く作風の違う作品もズラリと並んでいたが、それは写真家にとっての新人賞受賞作品である。量を見ているうちに徐々にその真意がわかってきた。 これはワタシの印象に過ぎないが、60年代から70年代の写真には社会性のようなものが写真には織り込まれていた。第一回受賞の北井氏の作品にはその匂いがする。ところが90年代から世紀を跨ぐ頃、写真から社会性(のようなもの)がスッポリと抜け落ちて、より”個人”へと写真的関心が移行している気がした。その作風は、HIROMIX、長島有里枝、蜷川実花に代表される。写真世界は内なる宇宙へとベクトルを向けたのだ。 いい悪いの話ではない。写真は社会の反映だ。社会的現象からよりパーソナルなものへと世の中の関心が移っていった様子が木村伊兵衛賞からも見て取れるのだ。それはとても意味深い事だと思う。 ”グローバル化”と云われ、一見世界へと関心が広がるかと思いきや、実際には個人レベルの関心はより内面へ内面へと向かっている。そんな両極端な複雑さを内包した現代に於いて、写真表現はこれからどんな方向へと向かって進んでいくのだろうか。木村伊兵衛賞受賞作からはそんな方向性を見失った現代が透けて見えた。 30年。この年月の重みを味わった午後だった。20050515223449.jpg

多摩川

朝からどんよりと曇り空。 今日は出かけようかなぁ、家に居ようかなぁ。はっきりしない天気に気分もはっきりしなくなる。ここ数日の仕事の疲れも溜まっていた。考えるのも億劫だった。こういうときは流れに身を任せるに限る。家族はワタシ一人ではない。女房と子どもたちが今日何をしようかと考えてくれる。ワタシは家長としてそれに同意すればいいのだ。 天気ははっきりしなかったが、女房の行動ははっきりしていた。ワタシが荷造りをしているうちにおにぎりを作っていた。「多摩川の散歩でいいんじゃない?」従うことにした。いや、同意した。多摩川の散歩へ行くぞ。 子どもたちが言った。「じてんしゃにのりたい。」従うことにした。いや、同意した。じゃあ乗っていってもいいよ。自転車を置いてある場所へ寄ってから多摩川へ。はっきりしない天気だったが徐々に晴れてきた。晴れたら暑かった。さすがに5月だ。多摩川の河川敷を歩きながら上着に着てきたウィンドブレーカーを脱いだ。子どもたちはTシャツ1枚になった。それでも全然寒そうではなかった。それくらい暑かった。 日曜日恒例のバーベキュー大会があちこちで繰り広げられていた。のろしのように肉を焼く煙が立ち上っていた。それはすでに新多摩川風景と言っても言い過ぎではなかった。多摩川河川敷は無料バーベキュー場と化していた。 家族連れはもちろんだが、大学生くらいの若者が男女混合で肉を焼いている。遠目にカラスがその様子を伺っていた。肉を焼いている当事者たちはいいかげんに酔っ払ってそんなことは全く気にしていなかった。橋の下のホームレス氏はそんな風景には目もくれずに読書に没頭していた。半裸の姿に鬚を生やして日に焼けた浅黒い顔の表情の向こう側には、まるで賢者のような知性がほどばしって見えた。MDを大音量でかけながら肉を焼く若者とのコントラストが印象的だった。 本を読む人には普遍的に知的な印象を抱く。よっぱらいには見事にそれがない。まあ日曜日だし、そんなことを言うだけ野暮かもしれないが、もし万一本を読まない若者が増えているとしたら、日本に未来はないよね(^^;。 女房は道端に咲いている春の花を見つけては楽しそうだ。ちょうどシロツメグサの季節。レンゲも咲いている。その蜜を集めに蜂も飛んできていた。レンゲの蜂蜜かぁ。うまそうだなぁ。 河川敷を多摩川上流方面に向かって歩き続けた。いつの間にか等々力緑地の入り口に差し掛かっていた。20050515223400.jpg
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