甘露日記

古本屋甘露日記 http://www.kanroshobo.com

2008年02月

往復

昨夜は日記を書き終わってから遅くまで今敏監督作品「パプリカ」を見た。原作は筒井康隆。

いやあ、面白かったなぁ。物語は、DCミニという名の”夢を他人と共有できる装置”が開発され、この装置を付けた人の夢が見られるようになる、という設定が根幹にある。サイコセラピストの主人公:千葉敦子はDCミニを使ってクライアントの夢の中に入り込み、精神的な障害の治療を行う。その時の姿が”パプリカ”と呼ばれる少女だ。そのDCミニが未完成のうちに盗まれ、悪用され始める。
悪用された者は「悪夢」に取り込まれ、どこまでも続く”有象無象の行進”の一部にされてしまう。いったいこの誇大妄想的悪夢は誰の夢なのか。パプリカは夢の中を走り回り、とうとうその悪夢の主を探し当てる。
最後は悪夢の主が暴走し、夢と現実が混ざり合って現実が侵食されていく、という展開に進んでいくのだけど、特筆すべきはやはりその演出技術。夢と現実が曖昧になっていく過程を、カギになる映像を何度か繰り返し描くことで無理なく見せている。
「悪夢」として表現される有象無象の行進のカラフルなことといったら・・・。一見楽しそうであるためにどこまでも連れて行かれそうでおそろしい。あの行進はいったいどこへ向かって歩いていたのだろうか・・・。
小さい頃、連れて行ってもらった遊園地に居たキグルミを恐ろしく思っていたクチです、ワタシ(^^;。そんなトラウマからか、Dランドのパレードもちょっと怖いんだよね、ホントは。
「イノセンス」も人間の内面への旅を描いていた。アプローチは違うがこの作品も素材として人間の内面があたかもネット世界のように描いてある。やはり人間の興味は最終的に人間という存在そのものへと向かっていくのだろう。

明古は特選市会。大量の荷物が2フロアを埋め尽くしていた。札は書いたけど、さて、どれだけ落ちてくれるかな。

昼飯を食べた後、東京駅まで散歩する。ホライズンで工事中の駅舎を撮影。駅舎の復元工事をするようだけど、本当の目的はそれじゃないんだろうな、と思えた。駅舎からかなり離れた場所にコンクリート注入用のでかいドラムが据え付けてあった。どこに注入するのか。それがカギだ。

店に戻ってからお茶を飲んでクルマで再び神保町。昨日落札した本がカーゴ1台あったので、今日の分と合わせて荷台はいっぱいに。これでまたしばらく市会には来れないなぁ・・・。

夕食後、荷造り作業をしばらくしてから雪谷往復する。
19557歩 11.73km 160分 1039.0kcal 30.6g
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往復

朝から快晴。

明け方は冷え込んだようだが、さすがに日中は暖かい。気が付けば3月。太陽の光もかなり強くなってきている。大好きな季節・春はもう目の前だ。

朝飯を食べながら京都映画の歴史のTV。マキノ省三氏に始まる日本映画の歴史。最初期は当然無声映画。コマ数も少ないので人間の動きがチョコマカとややコミカルな調子になる。セリフもない、動きもしっかり捉えられない、カメラも固定、といろいろ制約のある中でも、当時のクリエイター諸氏はしっかりと映像表現を確立していた、とやら。焼けて現存しないフィルムも多く、現在では当時の全貌を知ることは難しくなっているようだ。

荷造り作業。いつもお買い上げありがとうございます。昼前に東横線に乗った。今日は一新会。オヤジも「あとで行くよ」とのこと。
車中では「翔ぶが如く」の続き。明治初年は結局太政官政府と旧士族が対決する内乱状態だった、と云えるようだ。ここまでの一連の流れがペリー来航に端を発しているとすれば、「格差」という問題が一国全体を揺るがす大問題であることがよくわかる。太政官政府は旧体制をとことんまで破壊しようとした。軍隊も徴兵制とし、旧士族を頼らなかったばかりか、旧士族から特権と権威を奪い去った。当然そうしなければ社会は変わらなかった。
旧士族の不満は各地で頻発した反乱によって察することができるが、それぞれが情報を共有するべく連絡していなかったことが最終的な勝敗を分けた。神風連の乱が起きたことを合図に萩の乱が起こるが、伝えられた情報が断片的に過ぎて、前原一誠の準備不足も重なり萩の乱はあっけなく鎮圧される。
翌年、薩摩の桐野利秋が総司令となり、西南戦争が勃発するが、神風連の乱のとき熊本鎮台(政府軍)の守備が甘かったという断片の情報が伝わり、桐野の判断を鈍らせたのではないか、と司馬遼太郎は書く。徴兵された鎮台の兵隊は士族ではなかったため、少々甘く見られることがあったようだ。

入札を終えて昼飯のうどん。食べ終わって地下鉄。もちろん続きを読み続けた。

店に戻ったらお茶の時間だった。母親が隣のたい焼き屋で今日から発売のさくら餡を買ってきた。少々値段は高かったが、食べてみたらその理由がわかった。すっげーうまかった(^^)。

昨夜遅かったからか、眠気あり。うつらうつらしているうちに夕食の時間となり、仕事もはかどらず。ダメだなぁ。
6160歩 3.69km 58分 291.5kcal 7.1g
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1日店

お店は定休日。

朝飯を食べながら録画しておいた所さんの「笑ってコラえて」を見る。

荷造り作業を鋭意。いつもお買い上げありがとうございます。ご送金いただいた件はなんとか当日中に発送できるように心がけていますが、午後に入ると微妙です(^^;。翌日の発送になることがありますが、どうかご容赦のほどを。

昼飯はカキフライカレー。フライはスーパーのお惣菜売り場で売ってるものだけど、十分おいしい。フライって実はウチで作るとあとで出る油の処理がこまりもの。一旦揚げ油として使ったものは酸化してしまうので、本当はもう使わないのが身体にはベスト。となると、(おそらく)毎日油を取り換えているであろうプロの揚げたフライを買って食べた方がいいような気がする。ま。ただの気休めかもしれんが。

午後も荷造り作業と並行してオークション出品作業を断続的に。昨日と違い、嵩も点数も少なくなってしまった(^^;。仕事ってはかどらない日が多いな・・・。

夕食は通販で買った伊勢うどん。あの伊勢神宮横のおかげ横丁でも有名なコシのないうどんです。以前伊勢・志摩へ連れて行っていただいたときに食べた味を思い出しながら食べた。真っ黒なタレをかけて食べる。娘の口には合わなかったらしいね(^^;。モチモチしたかんじでおいしかった。伊勢に行きたくなったなぁ。

夕食後、オークション落札品のメール書き。風呂からあがってきた女房に、息子の誕生日の食事会は本人の希望でどこかのバイキングがいいらしい、と聞かされる。なんとなく気になってネットで検索をかけているうちにランニングへ行かなければならない時間になった(^^;。でも1か所見つけたよ。ランチだけど。
6551歩 3.92km 57分 327.5kcal 9.5g
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今日も1日店

くもり空。

朝飯を食べながら金八先生。いよいよ受験シーズンですな。ウチの息子も来年は受験なので、今からちょっとドキドキしたりして。自分も確かに高校受験という道を通ったはずなんだけど、気がつけばあれから25年(!)も経っており、実感としてはほとんど覚えていない。こうしてTVで”再現映像”を見せてもらうことで雰囲気だけ思い出す程度。
当事者としてその時期を過ごしているときは何がなんだか無我夢中で過ごしてしまうが、あとでこういうドラマを見たりすると、あの時は周りに仲間が一杯いたんだよなぁ、と不可逆な時間の流れを恨んだりする(^^;。学生って今思えば最高の身分だった。その時には気づかないのだけれど。
歳をとるにつれてどんどん世間が狭くなってくる。ネットの普及がそれに拍車をかける。気をつけないと・・・なァ。

二か月ぶりに散髪へ。店内で流れているラジオはAM。児玉清さんのラジオ人生相談。つい聞き入ってしまう。

昼飯を食べていたら息子が帰ってくる。今日でテストはおしまい。昼飯を食べ終わるなりPCに向かっていった。それほど好きかね(^^;。PCなんてこれからイヤでも付き合わなきゃならなくなるんだゼ。ほどほどにしておけばいいのに、と思うのは、通り過ぎてきた者だからこそわかることなんだろうね・・・。
昼過ぎからオークション出品作業開始。今日は幾分調子よく進む。嵩もそれなりにこなした。

夕食のころから雨が降り出す。今日のランニングは中止。仕方ないので甘露PHOTO日記を1本。HORIZONの写真をアップした。
1741歩 1.04km 17分 79.7kcal 1.8g
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1日店

朝から快晴。

昨日よりずっと風が弱い。今日は暖かくなりそうだ。
朝飯を食べながら「あしたの、喜多善男」を見る。ええと、これは何回目だろうな。宵町しのぶの誘拐事件が解決して、指を噛んでほしいと懇願するおじさんが出てきた(^^;。最初の方の回で生瀬さんがモノマネしていたワケもわかった。よくよく考えると登場人物がかなり多いね・・・。主役がかすみそうなくらいキャラの濃い人がどんどん出てくるけど、そこはやはり毎回「ネガティヴ善男」が出てきて話を締めてくれている。ドッペルゲンガー現象という解釈でいいのか、と思いきや、他人には見えないようだから、ちょっとだけひねってある。とにかく、今期の連続ドラマの中ではこれが一番面白い。音楽もいい。

荷造り作業を鋭意。いつもお買い上げありがとうございます。昼過ぎには一段落。今日からテストが始まった息子が帰ってきたので昼飯。最近になって英語が得意になったらしい。

本がまだ積み上がっているので、今日は交換会へは行かずにオークション出品作業に専念する。そのわりに点数は稼げなかった(^^;コレバッカ。

夜の19時から町内会の仕事で夜回り。戻ってから夕食。ラジオを聴きながらオークション落札品のメール書き。今日のテーマはお風呂。パラダイス山元さんがゲスト。この人のしゃべりは面白いから好き。入浴剤の本を出しているらしい。ほかにも餃子にくわしかったり、乗り物全般にも詳しく、特に飛行機のマイルに関して以前も同じ番組でしゃべっていた。なんでも詳しい人っているものだなぁ・・・。あ。この方の本業はマンボ奏者ね。
4365歩 2.61km 42分 193.8kcal 5.3g
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少女マンガパワー!~昔の暮らし・今の暮らし

朝から快晴。今日も風強し。

クルマで遠出をしたいな、と思わないでもなかったが、女房が行きたいとリクエストした「少女マンガパワー!」展を見に等々力まで出かけることにした。
昼少し前に出て徒歩で等々力まで。風がものすごく強くて目が半開きになり、半身の態勢で少しづつ進む(^^;
娘のたっての希望で緑地前にある100円回転寿司に入った。意外とガラガラ。まあその理由はあとでいわしを食べたときにわかるんだけど。ま、あまり書くと○○だろうからこの辺で。でも、いわしだけはやめときなー。

市民ミュージアム到着。展示されている作家は23人。「リスト見るとさ、3人以外は全部知ってるんだよねぇ」と女房。さすが元文学少女だね(^^;。とはいえ、ワタシでも知っている方は多い。展示の冒頭はマンガの神様手塚治虫だった。続いて松本零士、石ノ森章太郎、ちばてつや、とワタシでも知っている作家が続く。水野英子という方はワタシは存じなかったが、少女マンガの先駆的存在なのだそうだ。この展覧会のポスターにもなっている絵はこの方のもの。初期(1950年代)から最近作まで絵が展示されていたが、そのタッチの変遷がものすごい。大きく真っ黒な目の中心に大きく堂々と十字の白いアイキャッチが入っていて、こ、これがカワイイ女の子の瞳の表現なのか・・・とただただ驚いた。人の”カワイイ”という概念は年(歳?)とともに変化していくもののようだ。興味深いことだと思った。

娘は展示されている原稿や表紙原画には興味がないようで、会場中心に据えられた臨時”少女マンガ図書館”から1冊選んで読みふけっていた。それずいぶん分厚いね。何読んでたの?「これ?」と見せられたのは松本零士の少女マンガだった。
場内はさすがに女性の姿が多かったが、男性が一人で、という方も意外に多く、たしかに”少女マンガ”として描かれているもののワタシも繰り返し読んだ「ガラスの仮面」や「日出処の天子」を女子だけのものにしてほしくはないね。

隣の会場で開催中の「写真ゲーム」も見た。写真におけるゲーム的要素が現代写真の先端に多様な形で現われている、と説明にある。確かに展示を見ていくと写真にはそれぞれ作家による仕掛けが施されていて、それが表現になっていたりする。まじまじと見つめてしまったのは北野謙という方の作品群。日の出から日没までシャッターを開けて定着した風景。朝とも昼とも夕方とも云えるような空の下で、影だけになった人間が蠢いていた。
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企画展示室2で開催している「昔のくらし・今のくらし」展は、ちょうど娘の授業で受けている内容に対応しているのだという。

「写真ゲーム」展を見終わってから行ってみた。大昔(縄文時代)からついこの間使っていた道具まで、きれいに並べて解説のカードが付いている。ちょうど学芸員さんの解説が始まるというので、説明を聴くことにした。

昭和30年代になってTVに代表される電化製品が本格的に普及を始めるが、それまでの日本人の生活は今とはまったく違っていた。基本的にはかなりエコだったと云えるだろう。水道がないので水は汲みに行くもの。下水道がないので汲み取り(肥料化)なこと。酒屋はすべて量り売りでとっくりを貸し出していたこと。冷蔵庫も氷を入れて冷やすものだった。燃料は炭か薪。明かりも電気が来ていなければロウソクの行燈しかない。
電化製品が普及し、燃料も石油に置き換わった。スイッチひとつでなんでも出来るようになった分だけエネルギーが必要になった。

展示で印象的だったのは、たとえば煮炊きに使う道具の果たす機能は縄文時代からほとんど変わっていないということ。鍋を火にかけて加熱するための道具は最後には電化されたが、たとえば炊飯ジャーを見ても米を炊くという機能そのものは変わっていない。人間の生活に必要な仕事を電気仕掛けに”置き換えた”のが電化の基本的な姿だ。

電化が進むと、ラジオ、TV、ワープロ、パソコン、と”人間生活”とは直接関係ないものが次々に登場する。これらの道具が人間の目の前に現われてまだ100年ほどしか経っていない。その割には、これらが今目の前から姿を消したとしたら、現代人は1日を過ごせなくなってしまっていないだろうか・・・。

展示の最後にダイヤル式の黒電話を実際に操作する体験があったり、白黒TVのスイッチを入れたりして楽しませてもらった。今の電話はダイヤルを回すこともないし、TVのチャンネルも回さない。我々昭和世代にはアタリマエだったことも、平成人には大昔のことに思えるんだろうなぁ・・・(^^;。
白黒画面で見ると、今の番組なのに50年前の番組が映っているような錯覚を起こした。

店に戻ったのは17時過ぎ。夕食を食べてから雪谷までランニング。風が強くて寒かった(^^;。
15710歩 9.42km 133分 804.4kcal 23.7g
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ギャラリー
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