甘露日記

古本屋甘露日記 http://www.kanroshobo.com

2008年10月

文化祭

今日は息子の通う中学校で文化祭。

午前中に合唱の発表があるというので、図書館から帰ってきたばかりの女房・娘と一緒に出かけた。到着するとちょうど始まるところ。1年生、2年生、3年生の順に体育館の舞台に上がって合唱を披露する。心なしか元気が足りないような気もするが、歌っている様子は真剣だったので安心して聴く。曲はアンジェラ・アキの「手紙」。合唱の課題曲になっていたそうだ。

ワタシもこの中学校に通っていた。当時は学年7クラスあったから現在の倍以上生徒がいた。合唱コンクールもあったし、文化祭で合唱も披露した。行事前には何度も合唱の練習を”させられた”ので、正直「またかよ」といった想いもあった。そうやって3年間が過ぎると、合唱を練習する機会は高校ではかなり減った。大学生になったら皆無になった。そして、今、自分の子供たちが自分の歩いてきた道を同じように歩いている様子を見るとき、きっと彼らも「またかよ」と思いながら歌っているんだろうなぁ、と思ったりする。でも、歌う側に立つのと聴く側に立つのでは、合唱の感じ方ははっきり違うのだ。特に、若くてまだ合唱の意義を考えないまま歌っている(かもしれない)彼らも、いつか合唱を聴く側に回った時に、その良さをしみじみ感じるときが来る。是非、25年後にまたここで、合唱を介して中学生だった時の自分と再会してほしいと思う。もちろん、元気で。

ちょっとナイーブな歌声は、それはそれでこれから受験に向かっていく彼らの心情を反映しているようで、聴いていてシミジミとした。

店に戻ってからは仕事です。夕食後はオークション落札品のメール書き。今週も大量で、どうにか終えて日記を書き終わる頃にはロケショーが始まっていた(^^;。ただいま26時。
4155歩 2.49km 40分 188.9kcal 5.3g
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容疑者Xの献身

連日外に出られず、何かが詰まった(^^;。

昨日の日記にはそれが如実に出てる。

昨夜ネットで予約し、今夜は川崎までレイトショーを見に行くことにした。料金は1200円になるので安い。別に何を見てもよかったのだけど、かなりヒットしているという理由で「容疑者Xの献身」に決めた。

仕事を終えてから夕食を摂り、20時過ぎに出た。南武線の車中では先日久しぶりに新刊が出た地下の本を読む。以前出した本の時系列での並べ直しと思ったら新説もちりばめられている。

何度も足を運ぶようになってきたこともあり、TOHOシネマのカードを作った。6回見ると1回タダになる。ちょっと楽しみになる。これからもレイトショーオンリーで見に来るつもりだ。

で、映画。福山雅治主演というよりも、堤真一主演と言った方がいいくらいだった。背筋の曲がったさえない顔をした中年の天才数学者の役。福山雅治演じるガリレオ先生と大学で同期だったという。同期というにはちょいと実年齢が離れすぎているか・・・(^^;。
朝起きて、橋を渡って勤務する高校まで通う道すがら、隣室の住人が営む弁当屋さんで弁当を買う日課。それが彼の日常だった。ある日、その隣人宅に元夫が押しこみ、事件が起こる。ほどなくして河原で発見された遺体は元夫のものと判明する・・・。

推理小説が原作なのでこれ以上書くとネタバレになりそう。容疑者Xは普通なら考えつかないトリックを考えて実行した。ただ、そのトリックのやり方がねぇ・・・。書かないけどそれはちょっとヒドイんじゃない?という方法・発想だった。すさんだ世相をストーリーに反映させました、と言えばこういう表現も通るのだろうかね。

堤さんは「SP」、「クライマーズ・ハイ」と押しのある堂々とした役を続けて見たので、白髪まじりで姿勢の悪い役柄というのが意外だった。ただ、どの演技を見ても思うのは、セリフに説得力がある、ということだ。この人が言うと、ああ、そうなのかな、と見ている側は思わされる。それは演技のうまさから来ているのか、存在感から来ているのか。
今回はわざとそうしたのかもしれないが、柴咲コウさんの存在感がかなり薄かった。

場内はすいていた。クライマックスシーンで隣の女の子のケータイが着信(^^;。そのコの前の席に座っていた人は思わず振り向いていたなぁ・・・。ケータイには注意しましょう。
4662歩 2.79km 44分 222.3kcal 5.9g
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今日も1日店

朝は晴れ。

気がつけば月末。今月も早かった。とにかく仕事に追われた。でも、追われているうちが花だと思う。追われ続けていることに慣れると、追われなくなった時のことが頭に浮かんでとても恐ろしくなる。ネがそういう性格なのだろう(^^;。

オヤジたちが旅行から戻り、なんとか日常の業務が戻ってきた。店も開けて店での売上もある。先日来ワタシが集中的に仕事をかけている本のうち、とっておきにした分にオヤジが仕事をかけ始めた。店の通路から件の本の山は消えたが、バックヤードではまだまだドーンと積み上がっている。オヤジは楽しみにすこしずつ仕事をかけていくつもりらしい。

このあたり、見解の相違もあるだろうからどちらが正しいとか間違っているとか言う話ではないが(と前置きして)・・・。
オヤジがとっておきにした本が皆高い本か、といえばそれほどでもなく、初入荷本だったり、ずいぶん久しぶりに入荷した本だったりするだけのことが多い。自分が仕入れた本を自分が付けた値段で売るのが古本屋の楽しみ(仕事)、と考えているようだ。いったん付けた値段が変更されるのは、かなり長い期間棚晒しになった後、たまたま気がついたときに他の本のついでになされることが多い。もちろん、そうやって変更した値段で売れる保障はない。
本には相場がある、という定説に対して現在ワタシは少し懐疑的になっている。いわゆる相場でじゃんじゃん売れるなら別に何の苦労はない。相場なんてそもそも存在していない、と考えると売れない理由もすっきり飲み込める。
相場があってなきが如しとなったためにタイヘンなことになっているのは、連日報道される株式相場からよくわかる。まさに乱高下。上がったと思ったら翌日には下がる。おそらく、もっと緩やかながら本にも同じことが起こっている。
必要なものを必要な人が必要な時に買う。価格は需要と供給のバランスで決まる。値段が固定されていると考える方が不自然だと思う。値段は買う人があって初めて決まるものだ。供給側が付けた値段には実は何の根拠も存在しない。たとえ製造(仕入れ)原価を割れようが、在庫として抱えるよりは売って吐き出したほうがいい、なんていう安売りの理由もある。持つべきか売るべきか、はその時その時の判断でしかなく、やはり価格設定に明確な根拠はない。
話が長くなった(^^;。要は大量の在庫を前にしたとき、オヤジ式だけで行こうとしたら実はまったく仕事にならないと言いたかった。それだけです。
夜、雨。
1016歩 0.60km 10分 46.7kcal 0.0g
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1日店

朝から快晴。

今日は店舗臨時営業日。オヤジたちが昨夜遅く旅行から帰ってきたためだ。旅行の日程が思ったとおり取れなかったので、今週は日曜日を含む変則的な臨時休業となってしまった。かわりに旅行は3日間雲ひとつない快晴だったらしい。朝来るなり二人して土産話を容赦なくワタシに浴びせかけてくる(^^;。十和田湖の紅葉が最高だったこと。食事はどれも十分満足いくものだったこと。バスガイドさんが何でも詳しく知っていたこと。などなどを熱心に語る語る。楽しかった思い出は誰か人に話すことで記憶となって定着するものだ。話を聞いてあげる人が居なければならない。
すでに宅配で到着していたお土産の箱を開けた。中からは二色のりんごが出てきた。甘くてすっきりしたなんともいい香りだ。さっそく昼飯を食べながら一つ頂いた。あっさり味でウマイね。

土産話をふんふんと聴きながら荷造り作業を鋭意。いつもお買い上げありがとうございます。今日も数が積み上がる。

昼飯を食べながら録画しておいてもらった中原中也のTVを見る。語り手は町田康氏。同人誌「白痴群」を出していたころの中也の周りには文学青年だった人たちが何人も居た。中也には文学論を闘わせる相手が必要だった。生活を省みず、神と真理にのみ従順たるを信条とする中也。その遠慮ない言動や行動に白痴群同人たちも付いていけなくなった。創刊から1年。6号を出したところで同人は解散。中也以外は大学を卒業して皆就職することになった。詩から離れて月給取りになるのか、君たちに詩はわからない。というような内容の暴言を中也は彼らに投げつけた。
見ていてつくづく思ったこと。中也の詩は純粋だ。それは中也が詩に対して純粋だったからだ。そして中也は詩にかかわること以外に生き方を知らなかった。語り手の町田氏は、中也は神に愛されてしまった人だった、と評した。言い得て妙。他の人には見えないものが見える中也は孤独だった。
中也と同時代を生きていた人たちは、現実と折り合おうとしない中也を最後には持て余してしまった。でもそれは仕方ないことだろう。ずっと後世にいる我々がそんな中也を見て哀しく思うのはとても気楽なことだ。それはもちろん、中也がもうこの世の人ではなく、顔を合わせることが絶対にないからだ。
8617歩 5.16km 59分 511.4kcal 21.7g
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今日も1日店

日曜日から今日まで店舗は連休した。

オヤジたちが旅行に出たためだ。2泊3日の日程で十和田湖と田沢湖の紅葉を見てくるのだとか。日曜の夜、レインボーブリッジ散歩から帰り、荷造り作業に追われていたら電話がかかってきた。オヤジからだった。「お土産のりんごを送ったからね」と言われた。温泉に入ってから一杯飲んで夕食を食べた後のなんとも上機嫌な雰囲気が喋りを通じてこちらにも伝わってくる。どうやら3日間とも天気が良いようで、普段じっとおとなしく過ごしている見返りかな、と。
そのお土産のりんごは昨日宅配便で無事到着し、今デスクの傍らにある。大きくて二段重ねだ。まだ開けていないが、ほのかにりんごの良い香りが漂ってくる。
店は明日から開けます。

今日も荷造り作業を鋭意。いつもお買い上げありがとうございます。昼飯のころに一段落。録画しておいてもらった永井荷風のTVを見ながら昼飯を食べる。今日の語り手は半藤一利氏。荷風の戦時中の過ごし方を例によって日記「断腸亭日乗」から読み取る。世の中が沸騰し戦勝ムードに沸きたっている中、日乗はむしろトーンを下げてくる。半藤氏は「沸騰する鍋の中でじっとしている石のような存在」と荷風を評する。まあ、わからないでもないです。
2回見てきて、荷風という作家の日記から荷風の人となりのようなものは何となく伝わってきたが、語り手がたびたび荷風をまるで神様のような存在として語っているところに、見ている我々は置いていかれた気になる。そこには、荷風の作品くらい一通り読んでおけ、という暗黙の大前提が横たわっている。
つまり、大作家である荷風はその卓越した観察眼を働かせて当時の世相をこう見ていたという番組の作り方ながら、「大作家」な部分を全く描いていないため、見ているワタシは今一つ語り手の想いに共鳴しきれないわけだ。
ま、タダ単にワタシが不勉強なだけなんだけどね(^^;。
見終わってから女房にその話をすると、「そうそうそう!」と同じ感想を持っていたようだ。
夫婦揃って不勉強ってことね・・・(自爆)。

仕事をしていたら、先日女房が頼んだ「スケバン刑事」が届いた。発注・決済から届くまで4日間かかったことになる。これを早かったと思うか遅かったと思うかで勝負が決まる。ワタシは、意外と早かったな、とちょっと危機感を感じてます。
8405歩 5.03km 64分 465.0kcal 20.5g
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1日店

朝起きて快晴。朝だけでもいい天気だと気分的に助かる。

朝飯を食べながら録画しておいてもらった篤姫を見る。第二次長州征伐が始まり、将軍家茂が大坂城へ行っている。その割に戦闘シーンなども描かれないので、全体のトーンとして”大変な時代”という雰囲気がない。一方、坂本龍馬・おりょうの霧島温泉への新婚旅行が描かれたりして、のんびりしたかんじ。こういう描き方もあるんだなぁ。

荷造り作業を鋭意。いつもお買い上げありがとうございます。数日来の落札品がどどどどーっと出ていく。まだ終わらない。まだまだ終わらない。あっという間に昼飯の時間となった。

録画してもらった永井荷風のTVを見る。語り手は坪内祐三氏。荷風が食べていた食事について、断腸亭日乗から記事を拾って歩く。朝飯はクロワッサン。若いころは銀座に通いつめ、戦争で市川に移ってからは浅草へ通い詰める。最晩年は市川から出られなくなり、近所の定食屋さんで毎日一食・かつ丼を食べ続けたという。明治生まれの荷風には豚肉料理は薬(栄養)と思う風があったのでは?と坪内氏。男はねぇ。一度コレと決めると食べるものを変えない癖があるんだよね。

午後も荷造り作業を続けた。大きな山が二つ。数にして50を超える。今日はよく仕事をしました。オークション出品作業は当然のようにはかどらず(^^;。
7700歩 4.62km 56分 446.4kcal 16.4g
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